2013年02月03日

負債がある場合の相続放棄

父親が亡くなり相続しようとしたら負債がたくさんあったという場合、あなたならどうしますか?

相続は亡くなった方の全ての権利と義務を引き継ぎます。つまり、所有していた土地や家屋・株式などへの権利も取得しますが、同時に負債を返済する義務なども全て承継することになるのです。

もっとも、突然の相続で自分の生活が混乱するのもいけませんから、民法では単純承認、限定承認、相続放棄という制度を設けています。単純承認というのは財産も負債も全てそのまま相続することを言います。何も手続きをしなければ、単純承認とみなされて全てを相続することになります。

限定承認というのは、相続した財産の範囲で債務を返済することで、相続を知った日から3ヶ月以内に、相続人全員で家庭裁判所にて手続きを行う必要があります。

相続放棄は何も相続しなかったことにするもので、これも相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きが必要ですが、限定承認と異なり、相続人1人1人が単独で行うことができます。

例えば、亡くなったお父さんには1000万円相当の財産と2000万円の負債があったとしましょう。相続するのは兄弟2人で、相続分は均等に2分の1ずつです。

この場合、何の手続きもとらず単純承認で相続をすれば、兄・弟ともに500万円分の財産と1000万円ずつの負債の返済義務を負います。相続した500万円の財産を換金するなどして負債の一部を返しても、まだお互い500万円ずつの負債が残っています。

この残りの額については、相続人の責任において、兄と弟それぞれが返済していかねばなりません。つまりお父さんの負債を肩代わりして返す、生前のお父さんの借りは子供が返すということになります。

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2人で話し合って限定承認の手続きをしたとします。借りたお金だから返すべきだけれど、財産より負債の額のほうが大きくては、将来的に自分たちの生活に支障がでると考えたわけです。そうすると、財産の1000万円の範囲で負債を返せばよく、残りの負債の1000万円は債権者には可哀想ですが、相続人の資力をもってしてまで払う必要はなくなります。

では、負債の方が多いし面倒くさいから何もいらないよ!という場合はどうでしょう?その場合は、相続放棄という手続きをとります。兄も弟も相続放棄するなら、2人それぞれ手続きをとることができます。2人とも財産を得ることはできませんが、負債を返す義務も亡くなります。

ただし、2人が相続しないことで、次順位の相続人に財産と負債の返済義務が承継されるので、その点は気を付ける必要があります。

では、弟だけが相続放棄したらどうなるでしょうか?すると兄は1000万円の財産と2000万円の負債を相続することになります。残された財産が、思い出のある自宅であるから守りたいとか、父親が借りたお金は責任をもって返したいとか、そういった事情で、こうした選択肢もあり得るかもしれません。
posted by souzoku at 10:23| 相続 | 更新情報をチェックする
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